筋トレ:ベンチプレスの台頭とオーバーヘッドプレスの凋落

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ベンチプレスの歴史
1899年にジョージ・ハッケンシュミット(ハックスクワットは、彼の名に由来)が、スパイン・プレス(床に寝転がって行うフロアプレスだが、パワーラックがなかったので、ボトムポジションからストリクトフォームで挙上した)を発明し、350ポンド(159キロ)を挙げた。

その後、バーベルを胸や腹で弾ませる「ベリートス」がおおっぴらに使われるようになり、挙上重量が一気に増大し、484ポンド(220キロ)の世界記録が誕生した。
(ベリートスは、十種競技選手の右代啓祐が行っていた「オモシロベンチプレス」に近い動作

しかし、ベリートスのようなチーティング技術は、ストレングスとは無関係な動作で好ましくないという批判が高まっていった。1939年には、標準ルールが制定され、尻上げやベリートスといった「右代プレス」は禁止された。またベンチ台とスポッターが導入され、動作がトップポジションから始まるようになった。ベンチプレスの誕生である。(ただしラックはまだ発明されていない)

現代では、ベンチプレスはボディビルダーが好んで行う種目だが、20世紀前半期は、ボディビルダーは、ほとんどベンチプレスに関心を寄せなかった。彼らがベンチプレスを熱心に行うようになったのは50年代以降である。これは、ベンチ台にラックがつくようになり、ベンチプレスがより容易になったことが一因である。また60年代のアメリカで、ボディビルディングが人気となり、トレーニーは、上半身のトレーニングとしてオーバーヘッドプレスより、目立つ大胸筋を作ってくれるベンチプレスを好むようになっていった。

オーバーヘッドプレスを種目としていたウェイトリフティングはアメリカでは人気がなく、ウェイトリフティング内でも判定の難しさから廃止論が高まり、72年のミュウヘン五輪では不採用となった。他方、1973年にはIPFが設立され、ベンチプレスはパワーリフティングの正式種目となり、オーバーヘッドプレスの「上半身トレーニングの王者」としての地位は、ベンチプレスに完全に簒奪されるにいたった。可哀そうなオーバーヘッドプレス。しかし、真のストレングスを求める男達はOHPを見捨てなかった・・

ザック・タレンダーによる解説
https://www.youtube.com/channel/UC94_fvLx7abZgs9LIkM7jxw

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